On-chain vs Web2ゲーム:資産、進行状況、ルールはどこに保存されるのか

主な違いは「真実の源」がどこにあるかです。スタジオのサーバーなのか、smart contractなのか。それによって、プロジェクトが終了したときにプレイヤーの手元に何が残るかが決まります。

||
更新日

比較基準:stateはどこに保存され、ルールはどこで実行されるのか

「On-chain games vs Web2 games」は、on-chainゲームとWeb2ゲームのアーキテクチャ比較です。ルールがどこで実行され、ゲームのstate(進行状況、インベントリ、キャラクターのパラメータ)がどこに保存されるのかを見ます。

「NFT付きゲーム」とfully on-chainの重要な違いは、前者ではトークンがon-chainであっても、進行状況とルールはサーバー上に残る場合があることです。

  • Web2 → アイテムと進行状況は開発者データベース内の記録です。アクセスはアカウントとサービスのルールで決まります。
  • On-chain → ロジックや状態の一部がブロックチェーンに記録されます。資産は NFTになり、アクションはトランザクションになることがあります。
  • Web3ハイブリッド → NFTはwalletに保存されることがありますが、ゲームプレイと進行状況は通常サーバー上で更新されます。
  • Fully on-chain → ルールとstateはsmart contract内にあります。クライアントアプリは変わっても、実行ルールと契約上のstate(イベントとcontractの記録)はネットワーク上に残ります。

重要な結論: Web2のサーバーが停止すると、アクセスと進行状況は通常終了します。Web3ハイブリッドではNFTがwalletに残ることは多いものの、利用ルールと進行状況がサーバー側にあった場合、ゲーム内ユーティリティは消えます。

基準: 「真実の源」とは、資産への権利と最終的なstateを保存する層です。スタジオのサーバー/DBなのか、smart contractとネットワークデータなのかです。

On-chain vs Web2ゲームの視覚的比較:左はWeb2で、サーバーと「server off」で止まる進行状況、右はon-chainで、ブロックチェーン、smart contract、wallet、NFTがアドレス所有者に残る様子。

更新内容: Web3ハイブリッドとfully on-chainの定義を明確化し、「真実の源」を確認する基準と「server off」シナリオの影響を追加しました。

4点で見る結論:Web2、ハイブリッド、fully on-chain

比較基準は、進行状況(state)がどこに保存され、誰がルールを検証するか(サーバーかsmart contractか)です。

  • 重要なのはNFTの有無ではなく、 むしろ 進行状況の保存場所ルール実行の層です。
  • Web2 → サーバーが唯一の真実の源であり、単一障害点でもあります。
  • Web3ハイブリッド → トークンはwalletに残る場合がありますが、利用ルールはサーバーが定めることがよくあります。
  • Fully on-chain → ルールとstateはcontract内にあり、クライアントはネットワークデータへのインターフェースです。

モデル比較:資産、進行状況、サーバー依存

層ごとの比較:真実の源、資産、進行状況、サーバー依存、サービス停止時の影響。

パラメータ Web2 Web3ハイブリッド
(部分的にon-chain)
Fully on-chain
真実の源 スタジオのサーバー/DB 一部の権利/資産に対するサーバー + ブロックチェーン Smart contractとネットワークデータ
資産 ゲーム内の記録 wallet内のNFT/トークン。ユーティリティはサーバーが決めることが多い NFT/トークン + contract内の利用ルール
進行状況(state) サーバー側 通常はサーバー側 On-chain(contract state)
「サーバーを停止した」 アクセスと進行状況は通常終了する NFTは残る場合があるが、モード/ルール/進行状況は消えることがある ルールとstateはネットワーク上に残り、インターフェースは変更できる
UX/速度 最大 中程度(wallet、署名) 妥協(手数料、レイテンシ、アクセスインフラ)
主なリスク 中央集権性:スタジオがルールとアクセスを変更できる トークンは存在するが、ユーティリティはサーバーに依存する contractの安全性 + スケーリングとUX
GameFiの実務:どこが「トークン所有」で、どこが「サービスルールによるアクセス」なのか
この解説は、アーキテクチャ(サーバー/contract)を典型的なGameFiモデル(P2E/P&E)と、それらがトークンやNFTのユーティリティにもたらすリスクに照らして比較する助けになります。

読むための用語:NFT、on-chain/off-chain、smart contract、state

比較に必要な最小限の概念です。何が資産なのか、stateはどこに保存されるのか、ルールはどこで実行されるのかを整理します。

  • NFT は、デジタルオブジェクト(例:アイテム)の所有を確認する、ブロックチェーン上の一意のトークンです。
  • Smart contract は、ルールを実行し、データを保存/更新するブロックチェーン上のコードです。
  • On-chain は、アクションまたはデータがブロックチェーンネットワークに記録されることです。
  • Off-chain は、アクションまたはデータがブロックチェーン外(サーバー、クライアント、閉じたDB)に保存されることです。
  • Fully on-chain は、ゲームのロジックと状態がブロックチェーン上にあり、クライアントはcontractのデータとルールへのインターフェースであることです。
  • 真実の源 は、最終状態を決める層です。誰が資産を所有しているか、どのレベルか、どのインベントリかを定義します。

モデルの境界:Web2ゲーム、Web3ハイブリッド、fully on-chain

実行基準による分け方です。「トークン化された資産」と「contract内のルールとstate」は別のモデルです。

Web2ゲーム: 状態(進行状況、インベントリ、キャラクターのパラメータ)は、中央集権型サーバー上に保存され更新されます。

On-chainゲーム: アクションおよび/または状態がブロックチェーンに記録され、smart contractのルールによって実行されます。

Web3ハイブリッド: 資産はトークン化(NFT/トークン)されますが、ロジックと進行状況の重要な部分はoff-chainに残ります。

Fully on-chain: ブロックチェーンを実行層として使います。ロジックとstateはcontractに配置され、インターフェースは複数あり得ます。

重要な論点: NFTがあるだけでは、ユーティリティの存続は保証されません。ユーティリティが残るのは、利用ルールおよび/または重要なstateがcontractに固定されている場合、またはcontract stateを読み、同じルールを実行する互換クライアントが存在する場合だけです。

資産への権利:「DB内」対「wallet内」

トークンの所有とゲーム内ユーティリティの存在は別の状態です。なぜなら、それらを定義する層が異なるからです。

Web2:開発者システム内の記録としての資産

アイテムはDB内の行として存在し、アクセスはサービス機能を使うアカウント権限として存在します。

  • アカウントとプラットフォームのルールが、どのアイテムやモードを利用できるかを決めます。
  • アカウント停止やサービス終了は、通常アイテムと進行状況へのアクセスを終了させます。
  • 移転や取引は、多くの場合プロダクトのルールとスタジオのインフラによって制限されます。

結果: 資産はサーバー外の独立したオブジェクトではなく、DB内の記録のままです。

Web3:walletアドレス上のトークン(NFT/トークン)としての資産

所有者は鍵でトークンを管理しますが、ユーティリティはトークン利用ルールがどこで実行されるかによって決まります。

  • トークンはゲームアカウントとは独立して残る場合があります。記録がネットワーク上にあるからです。
  • トークンの利用ルールをサーバーが定めている場合、スタジオはトークン自体に触れずにユーティリティを停止できます。
  • サービス終了後、互換クライアントやon-chainの利用ルールがなければ、トークン価格は下落する可能性があります。

結果: トークンはアドレス上に残り得ますが、サーバー側のルールと進行状況が止まると「ゲーム内の有用性」は消えます。

区別: 「wallet内のNFT」はトークン所有を意味します。「トークンがゲーム内権利を与える」かどうかは、利用ルールが記述され実行される層に依存します。

重要な考え方: サーバーがユーティリティを提供しなくなっても、NFT自体は残ることがあります。

進行状況と検証:サーバーstate vs contract state

重要な問いは、stateがどこで更新され、どの層が状態遷移を確認するかです。サーバーなのかsmart contractなのか。

サーバーstate: 進行状況はサービスのDBに保存され、「公式バージョン」はサーバーが決めます。

Contract state: 進行状況はsmart contractのデータとネットワークイベントに記録され、遷移はcontractロジックで検証されます。

比較対象 サーバーstate Contract state
進行状況の保存場所 サービスのデータベース contractデータ + ネットワークイベント
誰が遷移を確認するか サーバーロジックとサービスルール smart contractのロジック(許可されること、禁止されること)
誰が最終バージョンを定めるか 唯一の仲裁者としてのサーバー 真実の源としてのネットワークとcontract
管理者変更 可能(例:報酬付与の巻き戻し) contractルールとトランザクションにより制限される
結果の確認方法 サービスとアカウントのデータによる ネットワークデータ(contract stateとイベント)による
サービスが停止した場合 進行状況と「公式バージョン」はDBと一緒に消える可能性がある Stateとイベントはネットワーク上に残り、インターフェースは変更できる

例: シーズン結果(ランキングと報酬)がon-chainに記録されていれば、クライアントが変わってもネットワークデータで確認できます。シーズン結果がサーバーに保存されている場合、サービス停止時に「公式バージョン」は消えます。

妥協:on-chainの権利とon-chainの結果、off-chainのゲームプレイ

  • On-chain: 所有権、希少な報酬、シーズン結果(サーバーから独立して確認する必要があるもの)。
  • Off-chain: 速度とUXのための高頻度アクション(戦闘、移動、マッチメイキング)。
  • 結果: on-chainはすべてのゲームプレイ操作ではなく、希少だが重要なイベントを固定します。

仕組み: contractに記録される権利と最終結果が多いほど、所有権とシーズン結果の確認におけるサーバー依存は小さくなります。

サービス停止シナリオ:各モデルで何が失われるか

サーバー停止が資産と進行状況に与える影響は、モデルごとに異なります。真実の源が異なるからです。

Web2: インフラ停止により、サーバーstateの更新とアカウントデータの提供が止まります。

結果: 進行状況とアイテムへのアクセスは通常サービスと一緒に終了します。

Web3ハイブリッド: NFTはネットワーク上の記録としてアドレスに残りますが、サーバー要素(進行状況、モード、利用ルール)は消える可能性があります。

結果: トークンは存在しますが、サーバー停止時にユーティリティは終了します。

Fully on-chain: ロジックとstateはcontract内にあるため、データは一社に依存せずネットワーク上に残ります。

制限: 便利なアクセスは、クライアントアプリとデータ読み取りインフラ(RPCとインデクサ)に依存します。

on-chainの制限:手数料、遅延、UX、contractリスク

On-chainは検証可能性を高めますが、手数料、遅延、鍵管理の要件を追加します。

  • スループットと遅延: アクションの記録にはトランザクションと確認が必要です。
  • 操作コスト: stateの保存と更新をon-chainで行うと高額になる場合があります。
  • UXの壁: wallet、鍵、署名、アクセス復旧は別のリスク層です。
  • アクセスインフラ: RPC、インデクサ、インターフェースはstateの読み取りやすさとアクセス可能性に影響します。
  • contractの安全性: コードのミスや誤った権限は、stateと資産に不可逆的な影響をもたらします。

ゲームデザインへの影響: 頻繁なマイクロアクションはon-chainへ移されることはまれです。より多くの場合、on-chainは希少だが重要なイベント(権利、報酬、シーズン結果)を固定します。

ハイブリッドが人気な理由: ブロックチェーンは権利と経済的イベントに使い、高頻度のゲームプレイはoff-chainに残すことで、各アクションごとの手数料と遅延を避けます。

重要な妥協: on-chainの検証可能性は、手数料とUX上の摩擦で支払われます。

wallet = 鍵の管理:資産へのアクセスを失わない方法
On-chainの所有は、seedフレーズとバックアップを管理している場合にのみ維持されます。このガイドは、単一障害点なしの保存と復旧を説明します。

選択基準:on-chainが価値を生む場合、生まない場合

アーキテクチャで見るフィルターです。資産への権利と検証可能な結果が重要な場所、速度と滑らかなUXの方が重要な場所を見分けます。

On-chainが正当化されやすい場合

価値が資産所有、来歴、二次市場に結び付いている場合。

  • 二次市場が重要なコレクションアイテムやカード。
  • ネットワークイベントで検証できるルールを持つ、資源経済とクラフト。
  • 資産への権利とシーズン結果の保存が重要な、長く続く世界。

Web2の方が合理的な場合

速度、最小限の摩擦、各アクションで手数料がないことの方が重要な場合。

  • 遅延が重要なreal-timeジャンル(シューター、アクション)。
  • walletや署名なしで大規模オンボーディングするカジュアルゲーム。
  • アイテムがサービス外で価値を持たないプロジェクト。
GameFi経済の確認:報酬、sinks、需要、「発行が需要を上回る」リスク
経済がトークンと市場に結び付く場合、持続可能性は発行、sinks(トークンを流通から出す仕組み)、需要のバランスで決まります。この解説は、参加前に歪みを見つける方法を示します。

例(アプローチの目安)

これは推奨でも品質評価でもありません。このセクションの目的は、市場が通常さまざまなアーキテクチャをどう呼ぶかを示すことです。

基準による確認: (1) 進行状況はアカウント内かcontract内か。(2) 公式サイトなしでstateを見られる代替クライアント/閲覧手段はあるか。(3) NFTのユーティリティはcontractで決まるのか、サーバー側のルールで決まるのか。

  • トークン化された資産(多くはハイブリッド)→ アイテムやキャラクターはNFTだが、ゲームプレイと進行状況はoff-chainです。
  • 経済型・コレクション型フォーマット → 資産へのon-chain権利と、その資産をめぐる市場ルールを固定することが多いです。
  • Fully on-chain系 → ルールとstateをcontract内に保ち、クライアントをネットワークデータへのインターフェースとして扱おうとします。

確認基準: NFTの有無よりも、進行状況の保存場所とルール実行の層の方が重要です。

よくある3つの誤解

期待の誤りは通常、「トークン所有」と「動作しているユーティリティ」と「真実の源」が混同されることに関係します。

「NFTがあるならゲームは閉じられない」

トークンはネットワーク上に存在し続けることがありますが、サーバー側ゲームプレイとサーバー側進行状況は消える可能性があります。

  • トークン所有は、サービスがゲーム内ルールを支え続ける義務を生みません。
  • リスクは、進行状況の保存場所とトークン利用ルールの実行場所で決まります。

結果: 確認はNFTの有無ではなく、進行状況とルールから始めるべきです。

「On-chain = 完全に分散化」

On-chainは資産など一部にだけ使われ、進行状況やマッチのルールには使われないことがあります。

  • On-chain資産はon-chain進行状況を意味しません。
  • ハイブリッドモデルは、サーバーへの重要な依存を残す場合があります。

結果: 進行状況とルールの「真実の源」は、サーバーかcontractのどちらかに探す必要があります。

「Fully on-chainに制限はない」

Contract stateはネットワーク上に残りますが、手数料、遅延、読み取りインフラ経由のアクセスはUXに影響します。

  • 手数料と確認は、on-chainアクションの頻度を制限します。
  • クライアント、RPC、インデクサの利用可能性は、stateを読む便利さに影響します。

結果: on-chainアクションの数と、単一のフロントエンドなしでstateを閲覧できるかを評価することが重要です。

FAQ

on-chain gamingとは何ですか?
ブロックチェーンを実行層および/または保存層として使うモデルです。ロジックとデータはsmart contractに配置され、アクションとstateはon-chainに記録されます。
Web2ゲームとWeb3ゲームの違いを簡単に言うと何ですか?
Web2では、進行状況とルールは会社のサーバー上にあります。Web3では、権利と資産の一部がブロックチェーンへ移されます(例:wallet内のNFT)。ただし多くのプロジェクトでは、進行状況とルールはサーバー側に残ります。
ゲームが終了したらNFTはどうなりますか?
トークンは通常ネットワーク上のアドレスに残ります。利用ルールと進行状況がサーバー側にあり、もう提供されない場合、ゲーム内ユーティリティは消えます。
walletなしでWeb3ゲームを遊べますか?
一部のプロジェクトはWeb2に似たオンボーディングを使い、ブロックチェーン要素を後から接続します。トークンを直接所有するにはwalletと鍵の管理が必要です。
サーバーなしで進行状況を保存できますか?
fully on-chainモデルでは、stateがcontractによって保存・更新されるなら可能です。多くのプロジェクトでは速度のために進行状況はoff-chainに残ります。
なぜfully on-chainゲームはまだ少ないのですか?
アクションをon-chainに記録するにはトランザクションと確認が必要で、手数料と遅延が発生するからです。そのためon-chainは、すべてのゲームプレイ操作ではなく、権利と経済的イベントを固定するために使われることが多いです。

最終チェック:on-chain vs Web2を3つの特徴で見る

モデル評価は一つの問いに集約されます。進行状況とルールの「真実の源」はどこにあるのか。

  • 進行状況: シーズン結果と重要な報酬はcontractに記録されるのか、それともサーバーDBに残るのか。
  • ルール: state遷移はsmart contractで確認されるのか、サーバーロジックで確認されるのか。
  • 停止リスク: サービスが消えたときに残るのは、ネットワークデータと、それにアクセスできる互換手段だけです。

進行状況とルールがサーバー上にあるなら、on-chain要素は資産として残っても、ゲームの「公式バージョン」は保存しません。

「GameFi」をさらに詳しく見る

このテーマに関する分析、実践ガイド、レビューをまとめて確認できます。

「GameFi」の記事を見る